成年後見制度

ほりかわ行政書士事務所の堀川は公益社団法人コスモス成年後見サポートセンターの会員です。

成年後見制度とは

対象者:認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力に不安や心配のある人

なにを:その人がうまく決めたり、間違って決めたりしないよう第三者がいろいろな
    契約や手続のお手伝い

をする制度です。

成年後見制度の種類

成年後見制度には、法定後見と任意後見があります。

法定後見には、判断能力の違いにより、補助・保佐・後見の3種類があります。

・両方同時利用はありません。

・申立てが両方された場合、原則として任意後見制度が優先されます。
(本人の利益のために特に必要があると認めるときに限り、法定後見の開始の審判をすることができる)

法定後見

根拠法令: 民法

後見の開始時期:本人の判断能力が低下し、家庭裁判所に申立てを行い、後見人が審判書謄本を受領してから2週間経過した日(審判確定日)から

検討する人:原則本人の判断能力が低下しているため、関係者

支援内容への直接の本人の意思:原則本人の判断能力が低下しているため、反映されない

後見人の権限:包括的、広範囲

後見人の取消権:取消権あり(日常生活に関する行為以外)

後見監督人:家庭裁判所が必要と認めた場合に選任される

メリット:
・成年後見人に選任されたらすぐに財産管理ができる
・本人が行った不利益な契約を取り消せる
・身近な人による財産の使い込みを防げる
・介護サービスや施設入所などの契約ができる
・登記されるため、公的に証明できる

デメリット:
・後見人は家庭裁判所が選任するため、自由には決められない
 (候補者はたてられる)
・本人が死亡するまで解任できない
・積極的な資産運用ができない
・相続税対策などを理由にした財産の移動ができない

法定後見の類型

後見

対象者:事理弁識能力を欠く常況にある人
本人同意:不要
同意権範囲:日常生活に関する行為以外の全ての取引行為
取消権者:本人、成年後見人
取消しに対する本人の同意:不要
代理権:全ての取引行為
代理に対する本人の同意:不要

保佐

対象者:事理弁識能力が著しく不十分な人
本人同意:不要
同意権範囲:重要な取引行為
取消権者:本人、保佐人
取消しに対する本人の同意:不要
代理権:審判で指定された特定の取引行為
代理に対する本人の同意:要

補助

対象者:事理弁識能力が不十分な人
本人同意:要
同意権範囲:審判で指定された特定の取引行為
取消権者:本人、補助人
取消しに対する本人の同意:要
代理権:審判で指定された特定の取引行為
代理に対する本人の同意:要


任意後見

根拠法令: 任意後見契約法、民法

後見の開始時期:契約により見守り、生前事務委任から開始(コスモスの場合)
公正証書で任意後見契約の締結済みで、判断能力が低下したら、後見監督人選任の申立てを行い、
家庭裁判所が任意後見監督人を選任したとき
(任意後見監督人に審判所が送達された日(即時抗告は不可))

検討する人:判断能力が健常な人が自分で考える

支援内容への直接の本人の意思:反映される

後見人の権限:任意後見契約で決める

後見人の取消権:取消権なし

後見監督人:必要

メリット:
・本人の意思で自由に契約内容を決められる
・本人が任意後見人を事前に選べる
・身近な人による財産の使い込みを防げる
・介護サービスや施設入所などの契約ができる
・契約内容が登記されるため、公的に証明できる

デメリット:
・家庭裁判所が任意後見監督人を選任するまで実働できない
 (見守りや生前事務委任で対応可能)
・公正証書で作成する必要があり、締結に手間がかかる
・取消権がない

成年後見人等の役割

成年被後見人(後見人の支援を受けているご本人のこと。)の身上監護と財産管理をする役割を持った人のこと。

 ご本人は,認知症などで判断能力が不十分なので,自分の財産を適切に管理できません。そこで,ご本人に代わってご本人のためになるように援助をする人が後見人です。
 後見人は,ご本人の考えを尊重し,ご本人の生活状況や健康状態に配慮します。

成年後見人等になれない人(欠格事由)

法定後見の場合:ご本人の心身の状態,生活及び財産の状況その他一切の事情を踏まえ,長期間にわたってご本人の利益となるように裁判官が決定します。
そのため,親族の方を後見人候補者に挙げたとしても,その方が後見人に選任されるとは限りません。

成年後見人等と本人との関係

近年では、親族以外の方が成年後見人等になる割合が多くなっております。
弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士等