遺産分割は家族だから揉めない?それはお金を持っている人たちだから?本当にそうなのでしょうか?
正直、私も遺産分割で揉めるのは、お金がたくさんあるお家のお話し。
普通の家庭では、通常何に問題もないはず。だって、揉めるほどのお金がないから。
そう思っていませんか?私は、そのように考えていた時期がありました。
紛争となる金額は本当に高額なものだからなのか?
遺産が高額だから、紛争が起こるのか?
裁判所の分割事件で割合を見てみました。
実際事件となっているものの割合としては、5,000万円以下で78%を占めていました。
相続税の基礎控除額の計算が、3,000万+(600万x相続人数)ということを考えると必ずしも相続税を払うような価格以上ばかりが紛争になっていないことが分かります。
もちろん資産が1億円以上ももっている人の人数が持っていない人よりも少ないという事はあると思いますが、財産が少なくとも紛争は起きているということはいえると思います。
そもそもなんで相続人同士で揉めるのか?
お金をもらうもらわない、ずるいずるくない、自分は生前面倒をみた・・・
こういう問題があることは確かかと思いますが、紛争内容の件数割合を見てみました。
出典:裁判所司法統計
上のグラフは、2020年の遺産分割事件のうちで
□土地・建物のみが関係したもの
□土地・建物および現金、動産等が関係したもの
□土地・建物が関係しなかったもの
当然のことながら土地・建物は価格が大きくなるため分割事件としては入ってきますが、5,000万以下になると土地・建物のみが関係しているものの割合が極端に大きくなります。
まとめ
つまりどういうことなのでしょうか?数字から見る限りではありますが、土地・建物は分割することが難しく、また住み続けていればそれを売却してお金で分け合う事もできない可能性がありますし、その分のお金自体をお持ちでないこともあるかもしれません。
そういう意味でも土地・建物の帰属(相続人は誰にするのか?)ということだけでも遺言書を作成し書いておくことに価値はあるのかもしれません。
このような問題がおおいと思われるため、民法には配偶者にはもう少し考えてあげようというような制度が制定されました(配偶者居住権)。今後そのような事も書いていけたらと思います。
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